こんにちは。ちゅうとくんです。
ポケカメインでやってます。デュエマは紙の動画を見たりデュエプレをやったりしてます。
先日のデュエマプレイヤー視点でのポストが発端でしょうか、ポケカの「倒した方がサイドを取れる(手札が増える)ルール」についてのお話がXで盛り上がってますよね。
ざっと見た感じ「国産TCGの黎明期にできたルールだからしゃーない」というのがまあそうだよなという感じですが、ちょっと考えてみたくなったので考えてみます。
ポケカのルール
おさらいです。
・バトル場のポケモンでワザを使いダメージを与えあう
・HP以上のダメージを受けたらきぜつする(倒れる)
・きぜつさせた側が6枚ある「サイド」からカードを1枚とる(シリーズの途中から2枚や3枚取られるカードも登場しました)
ポケカのカードプール
ルールと併せてカードプールについても見ておきましょう。
初期(ポケットモンスターカードゲーム時代)は黎明期あるあるとも言えるめちゃくちゃなリソースカードやエネルギー破壊カードなどがあり、ベンチを呼び出すカードもノーコストで使えました。
後々(特にADV/PCG辺りから?)、「サイドの残り枚数が相手より多ければ」など不利な状況を条件に活躍するカードや「おたがいのプレイヤーは手札を山札に戻してサイドの残り枚数ぶん引き直す」といった効果のカードが登場し、現在もそのような効果のカードがある程度定番の逆転要素として登場しています。
リソースカードについては現在でもかなり寛容で、番に1回使える「サポート」を中心にドローカードが多数あります。「手札をすべてトラッシュして7枚引く」博士の研究なんかが特に強力ですね。ポケモンのドローカードで言うとcipで6枚になるように引けるカードや毎番1枚捨てて2枚引く効果を使える進化ポケモンがいたりします。
デュエマ
デュエマについてはポケカほど詳しくないのですが上に挙げたポケカの特徴との差異として
・クリーチャーによる攻撃を受けたプレイヤーのシールド(5枚からスタート)が減り、手札に加わる
・シールドから手札に加わるタイミングでコストを支払わずにすぐ使える「S(シールド)・トリガー」のカードが存在する(逆転要素)
・カードを使う時はマナゾーンのカードをタップしてコストを支払う
(・1ターンに攻撃出来るクリーチャーの数に制限は無い)
などがあります。
リソースカードに関しては近年はインフレもしてますし殿堂(制限)解除などを見るとやや緩くなってきているように見えますが、ポケカと比べて1ドローの価値は結構高いように見えます。
倒した側がサイドを取れるのはなぜ?
さて、本題に入りますがポケカのルールで倒した側がサイドを取れるのはなんで?って話をしていきましょう。
Xで囁かれている説としては「ポケモンを倒したら経験値が貰えるゲームの再現」「ご褒美」みたいなのがあります。ルールティーチングでサイドの説明をする時は「相手のポケモンを倒したらご褒美として取れるよ」みたいに言いますし英語だとプライズって呼ばれてるのでそういうフレーバーは少なからずあると思います。
とはいえ、議論するなら世界観ではなくゲーム設計の観点でしょう。
倒した方がサイドを取れるルールのゲーム設計上の利点は「攻撃をするインセンティブ(アドのこと)が発生する」というのが大きいでしょう。
逆のルールのデュエマでは、現代は特に「パーツを揃えてビッグアクション/ワンショット」をするデッキが適しているように見えます。(勿論、シールドトリガーからの逆転を軸にしたデッキや序盤から小型クリーチャーを並べるデッキもありますが。)攻撃が相手のリソースになる、それどころか即時逆転まであるシールドブレイクのシステムがあるため攻撃に合わせて追加ターンを取ったり呪文ロックをしたり除去体制を付けたりしてケアしつつワンショット、というのが強いのでしょう。多分。
ポケカとデュエマのあまり言及されていない違いなんですが、ポケカはワンショットができません。できませんは言い過ぎか、できるカードが超少ないです。これはカードプールの問題と言うよりは基本ルールに近い所の話で、各1匹のバトルポケモン同士でダメージを与え合うルールなので控えのベンチポケモンにまでダメージを与えるワザは強くなりすぎないようになっています。そりゃそう。デュエマにシールドブレイクする呪文が少ないのと同じ話だと思う。
で、ワンショットができないとなるとその分なるべく早い段階からゲームのシーソーを動かし始めた方が楽しみやすい、という話。バトル場に壁役用意して5ターンも6ターンもエネルギーとか進化の準備をして盤面最強にしてからアタッカーをバトル場に出して…ってやってたら遅すぎるんでしょうね。
もう1つ、これも考慮されないがちなのですがポケカもまた「攻撃する側のリスク」を抱えているゲームなんです。
デュエマ視点だと手札のリソースが大事なのでサイドという手札リソースに繋がるカードの行方に注目しがちなのかもしれませんが、ポケカのルール上真に考慮すべきリソースの在り処は、「盤面のポケモン」ではないでしょうか。
というのも、デュエマで言う「マナ」にあたるポジションにポケカでは「エネルギー」があり、カードを使うために都度タップしターン開始時にアンタップするデュエマのマナと違ってポケカのエネルギーは「ポケモンにつけて」使われます。(デュエマの踏み倒しやコスト軽減のようにカードの効果で増やすこともできますが)基本ルール上は自分の番に1枚しか場のポケモンにつけることができないため、エネルギーの損失はかなり痛いです。そしてエネルギーをつける用途は「ワザを使うため」。ワザを使うにはそのポケモンをバトル場に出さなければいけません。コレですコレ。
「エネルギーをつけたポケモンがバトル場に出ることは、相手のバトルポケモンに倒されてエネルギーを損失するリスクを伴っている」というのがいちばん重要な観点でしょう。そう考えると、リスクを負った行動に対してリターンが用意されている、という構図が見えてきますね。
(デュエマで言うと、全部のクリーチャーに離れた時自身のマナ破壊の効果がルールでついてるみたいな感じですね、そんなルールでシールドブレイクにもリスクがあったら全員呪文デッキを使うでしょう。)
1周して報酬の話に戻ってきた気がする
まとめ①
ポケカの「倒した方がサイドを取れるルール」はゲームテンポの悪化を防いでいるだけでなく、実は攻撃する側の大きすぎるリスクに対するリターンとして機能しているのではないか?
もしもポケカが「倒された方がサイドを取れるルール」だったら?
ここからポケカの話です。
逆のルールになった場合、そもそものカードプールがガラッと変わるでしょう。
今の逆転要素のサイドの所の自分/相手を書き換えるだけだと先に攻撃を受けてきぜつさせられた側が溜め込んだ手札で後続を用意しながら手札干渉もしつつ反撃。先に攻撃した側は必要パーツを揃えられず後続が育たなくなり1ターンパス。モタモタ。みたいな、しょうもないゲームになってしまう。(や、現行のルールでも先殴りされてアタッカー消えてパスみたいなしょうもないゲームあるか。)
溜める戦略が正当化されるルールでは要求パーツの多いデッキにチャンスがありそうですが、一度先に攻め始めて返しに手札干渉をされると苦しいので矛盾を抱えている…それなら溜めに溜めて盤面を完璧にしてから攻撃を始めれば良い…という感じでゲームテンポがめちゃくちゃ悪くなりそう。
手札1枚の価値もサイドを取られることがリスクになるくらい重くした方が良い、となるとドローカードが控えめになる…そうすると要求パーツが多いデッキだとめちゃくちゃ溜めに時間がかかる。
じゃあ、サイド無くなる以外の勝ち筋を狙うか〜となり、エネ破壊のコントロールデッキや山札破壊のmillデッキが流行る。
それはあんまりポケモンバトルじゃないな…
ポケモンにエネルギーをつけて戦うルールになっている以上、やはり攻撃にインセンティブが無いとポケモンバトルらしさが失われたゲーム体験になってしまうのではないでしょうか。競技性は置いておいて、ポケモンのコンテンツであるポケカにおいてはポケモンバトルらしさは失ってはいけないでしょう。
倒した方がサイドを取れるルールにすることで発生するしょうもなさ、例えば先攻の一方的な攻撃展開に対してはルールでは咎められないのでカードの側に逆転要素を書いて均衡を図るというのが使える手法だし、今実際に取られている手法でもある。
まとめ②
サイドのルールが逆になったポケカを考えてみると、どうしてもポケモンバトルっぽくなくなってしまう。やっぱり今のルールがこれなのは理由がちゃんとあるんでしょう。
ルールでどうしようもない部分については、個別のカードで補って競技性の高いプールになるといいですね。
いかがでしたか?
この記事ではポケモンカードゲームがデュエル・マスターズのように攻撃された側が手札が増えるルールになった場合について思いを馳せてみました。みなさんも考えてみてはいかがでしょうか?
おわり